大学受験の事

 大学受験勉強に孤独に励む人達に向けて自分の経験を書きたいと思う。でもコレをすべしとか、アドバイスを書くわけではない。4年前の受験だがふと書く気になって手が動くままに書くので乱雑になる。

私は地方から東京の大学に進学した。所謂追い込み型の人間で受験勉強をした期間は1年間だ(これまで幾度となく反省をしてもこの性質ばかりは治らない)。同じような性格の人には少しでも参考になるかもしれない。高校2年間は運動部に所属。勉強と両立する程の意志の強さもなく成績は下がる一方だった。高校2年の時は先生に呼び出され成績に関する指導まで受けた覚えがある。しかし人は簡単に変わらない。そのまま進路が決まる事なく3年生を迎えようとしていた。

 転機だったのは高校2年の2月頃だったと思う。何かのきっかけで映画を見た。内容がタイムリーなもので主人公が進路志望届を紙ひこうきにして飛ばすというものだった。何かが吹っ切れたと言うか、妙に目の前が開けたような気がした。その瞬間大学受験を決意した。些か奇妙な推移だがこれは例えば街を歩いていてふと耳に入ってきたセリフとか、何気なく目に入ったポスターとかが良くも悪く人を大きく変えてしまうという事だけ伝えたいと思う。

話が逸れたが、そんなわけで大学受験を決めた私はまず図書館に行き受験案内の雑誌で大学を調べる事から始めた。最初は大学の多さに戸惑った。戸惑った上自分の学力が無いことに慄く。ここから平凡者の孤独な1年間の足掻きが始まる。これまでの積み重ねは無いので文系3教科に絞り、参考書はインターネットで調べて購入した。これまで勉強なんて一切しなかった奴が、藪から棒に予備校に行きたいなんて親には相談できなかったし、独学を決意した。当然留年は経済的に無理だった。そして問題は重なる。学校のクラスは大半が推薦入試で大学を決めた。一般受験はクラスで私を含めて2人だった。推薦入試は高3の夏頃には進路を決めることができる。つまり一般受験者はそんな環境の中ただひとり入試まで耐え抜かなければならないのだ。消えたいと思ったことは数知れず、だ。

夏休みは毎日学校、図書館に缶詰。1日10時間以上勉強した。スケジュール帳に毎日それを書きこんだ。参考書は、一冊を何度もが常套的だが、飽きっぽく色々模索した。古本屋で漁ることもあった。受験勉強期間中の記憶はあまり鮮明としていないが、とにかく必死だった。中々成果が出ず、自分より上の人を想像しては悔やむ。無限ループだった。時だけが過ぎていった。

 少々飛ぶが、1月、センター試験を迎えた。自信はない。雪が降っていた。結果、センター利用に向けられるほど好ましいものではなかった。本命の私立大学受験まであと1ヶ月だ。センター試験で失敗して、本命の大学に受かるわけがない。喉元過ぎれば熱さを忘るると言うがこの時は絶望だった。それからの1ヶ月は、あまり記憶していない。

 滑り止めの大学を受け、本命の大学を受ける時が来た。ボロボロになった赤本を持ってバスに乗った。その日も雪が降っていた。

 結果が出る前に高校の卒業式を迎えた。頭は式中も進路の事でいっぱいだった。二度とない高校生活を思う存分味わう事ができた道もあっただろうなと今思う。こればかりは自己責任だ。

 結論から言うと本命に受かる事ができた。しかし、1番ランクが下の滑り止めには落ちた。何があるか分からない。最後までやるしかない。

 今孤独で頑張っている人達 先は何が起こるか分からないし怖いけれど進むしかない。アドバイスを書くつもりはなかったけれど、不安に押し潰されそうになった時は、偉人の名言集とか文庫本で売ってるやつを読むとけっこう有難い気持ちになる。図書館で気晴らしに本を読むのもいいと思う。

 自力で頑張る事か、他人の手に委ねるか、どちらが正解なのか、そもそも正解があるのか、筆者にはまだ見当がつかない。自分を信じる事が大切とは言うけれどそのスタンスで生きていて挫折した時、なにが起こるのかも恐ろしい。

 

文章を書きたくなってメモのように書いてしまったものをインターネットの海に投げる。ポイッ(20/9/28